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    「今」を困っているご利用者のために(1/13)

  • 2010年12月 (4)
  • 若い日の妻に会うために(12/22)

    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか(12/17)

    無理なく末永く、適切な支援は残された時間への投資(12/8)

    ゆっくり歩くスピードで(番外編)(12/1)

  • 2010年11月 (4)
  • 受け入れる力と介護する力(11/25)

    「ありがとう」の力(11/17)

    自分に何ができるか(11/10)

    人の役に立つということ(11/3)

  • 2010年10月 (4)
  • 普通のことをあたりまえに(10/28)

    「だれのために?」~車いすのつぶやき~(番外編)(10/21)

    「傷も勲章」~車いすのつぶやき~(10/13)

    「ありがとう」を夫婦で共有する(10/7)

  • 2010年09月 (5)
  • 加治屋町日記(1)(9/29)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(下)(9/23)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(上)(9/15)

    安全・快適は危険と隣り合わせ(9/9)

    希望と勇気を支える福祉用具(9/1)

  • 2010年08月 (4)
  • 父の日課(8/25)

    「吊り下げるよりほかあるまい」(8/18)

    「手厚い介護は手でするもの」(8/11)

    「自立」はもちろん「役立つ」こと(8/5)

  • 2010年07月 (5)
  • 「苦労」と「喜び」と「達成感」(7/28)

    ずっと自分の足で歩きたい (7/21)

    母の介護人生から学ぶ (7/15)

    ADL とQOL のはざまで (7/6)

    いくつもの「イヤ」を乗り越えて (7/2)

  • 2010年06月 (3)
  • いつまでも、2人で暮らしたい (6/28)

    無理のない人間らしい生活を支える (6/24)

    リフト導入による生活範囲拡大 (6/22)

【福祉用具別】
  • 床ずれ防止用具 (2)
  • 利用者様の実情と法制度の「絆」としての専門性を

    人の役に立つということ

  • 車いす (20)
  • ラストダンスは私に

    人生を支える思い

    そうだ、京都へ行こう!後編

    そうだ、京都へ行こう!前編

    “What I can(私たちにできること)”

    ぼくは絶対にお医者さんになる

    この「不便」は「強み」でもある

    「桜の時期」に揺らぐ心

    ありがとう、千本イチョウ。

    若い日の妻に会うために

    ゆっくり歩くスピードで(番外編)

    自分に何ができるか

    「だれのために?」~車いすのつぶやき~(番外編)

    「傷も勲章」~車いすのつぶやき~

    「わがまま」が生み出す豊かさ(下)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(上)

    安全・快適は危険と隣り合わせ

    希望と勇気を支える福祉用具

    父の日課

    「自立」はもちろん「役立つ」こと

    ADL とQOL のはざまで

  • 歩行器 (5)
  • 〈パルちゃん〉の使命

    歩行器だってうれしそう

    加治屋町日記(2)福祉道具は優しさの結晶

    「手厚い介護は手でするもの」

    いくつもの「イヤ」を乗り越えて

  • 手すり・スロープ (6)
  • おじいちゃんセンセの「トオセンボウ」

    1本の手すりから生まれる希望

    逆転の夫婦~支え合うことで元気に暮らす~

    福祉用具の力はどこに現れるのか

    見守り、支える存在に

    無理のない人間らしい生活を支える

  • リフト関連 (5)
  • 思い出の風景を損ねずに

    取り戻した笑顔

    「吊り下げるよりほかあるまい」

    いつまでも、2人で暮らしたい

    リフト導入による生活範囲拡大

  • その他 (32)
  • そうだ!〈転ばぬ先の知恵〉だ!

    若い人には負けないわ

    希望の輪

    あきらめない、あきらめさせない

    尿もれパッドで知った ありのままの自分

    みんなありがとう

    臭いのモトは

    当たり前と勘違い おむつから見えてくること②

    好きな時間に1人で入りたい。風呂ってそういうものでしょ

    福祉用具は暮らしの雰囲気まで明るくしてくれる

    自立しながらみんなで生きるということや 後編

    自立しながらみんなで生きるということや 前編

    食べたいという意欲がわく大切さ

    寄り添うことの大切さと難しさ

    人生は長い。自分の人生を自分でまっとうする

    ~白杖のつぶやき~(番外編)

    ぼくの社会貢献

    何がいちばん大切か……

    あらためて「福祉用具の力」を考える

    使命感を共有して「悩み解決型メーカー」へ

    キャッチボールの大切さ~屋久島オフィスを取材して~

    より高い専門性のために

    「今」を困っているご利用者のために

    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか

    無理なく末永く、適切な支援は残された時間への投資

    「ありがとう」の力

    普通のことをあたりまえに

    「ありがとう」を夫婦で共有する

    加治屋町日記(1)

    「苦労」と「喜び」と「達成感」

    ずっと自分の足で歩きたい

    母の介護人生から学ぶ

【テーマ別】
  • 適切な支援 (13)
  • おじいちゃんセンセの「トオセンボウ」

    「桜の時期」に揺らぐ心

    当たり前と勘違い おむつから見えてくること②

    「桜の時期」に揺らぐ心

    見守り、支える存在に

    無理なく末永く、適切な支援は残された時間への投資

    自分に何ができるか

    「わがまま」が生み出す豊かさ(下)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(上)

    安全・快適は危険と隣り合わせ

    希望と勇気を支える福祉用具

    ADL とQOL のはざまで

    リフト導入による生活範囲拡大

  • 自尊心 (6)
  • 若い人には負けないわ

    臭いのモトは

    「吊り下げるよりほかあるまい」

    母の介護人生から学ぶ

    いくつもの「イヤ」を乗り越えて

    無理のない人間らしい生活を支える

  • 意欲/意志 (28)
  • 〈パルちゃん〉の使命

    あきらめない、あきらめさせない

    尿もれパッドで知った ありのままの自分

    1本の手すりから生まれる希望

    みんなありがとう

    思い出の風景を損ねずに

    歩行器だってうれしそう

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    福祉用具の力はどこに現れるのか

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    自立しながらみんなで生きるということや 前編

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    人生を支える思い

    寄り添うことの大切さと難しさ

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    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか

    人の役に立つということ

    「ありがとう」を夫婦で共有する

    「手厚い介護は手でするもの」

    「苦労」と「喜び」と「達成感」

  • 意欲/貢献(1)
  • 「自立」はもちろん「役立つ」こと

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  • 希望の輪

    あらためて「福祉用具の力」を考える

    受け入れる力と介護する力

    父の日課

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    加治屋町日記(1)

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  • キャッチボールの大切さ~屋久島オフィスを取材して~

    より高い専門性のために

    「今」を困っているご利用者のために

    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか

    人の役に立つということ

    「ありがとう」を夫婦で共有する

  • 福祉用具(6)
  • 何がいちばん大切か……

    加治屋町日記(2)福祉道具は優しさの結晶

    ありがとう、千本イチョウ。

    ゆっくり歩くスピードで(番外編)

    「だれのために?」~車いすのつぶやき~(番外編)

    「傷も勲章」~車いすのつぶやき~

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いくつもの「イヤ」を乗り越えて#4

2010年07月02日更新 [ 自尊心 ][ 歩行器 ]
都城営業所  大田克彦(仮名)
 すべてが「イヤ」。自身の状況を受け容れられず生活全般に対する意欲が低下しているな……。それが岩元琴江さん(90歳/仮名)の第1印象でした。

 琴江さんの身体状況を知って、無理もないと思いました。5年前に転倒して入院。幸い骨折などは見られませんでしたが、以来腰痛と膝の疼痛に悩まされてきました。そして脳梗塞です。大事にはいたらなかったものの右上肢に軽度の麻痺と構音障害が残りました。しかも90歳という高齢です。ただでさえ体力の衰えを感じずにはいられないのに、軽度とはいえその後遺症は琴江さんの日常に大きな影を落としたに違いありません。

 退院直後の琴江さんは「なにもできない」と自身のことを決めつけてしまいます。ご家族の話では、以前は社交的でお友だちも多かったそうです。そんな方に軽度とはいえ後遺症がある。どれほど自尊心が傷つけられたかと思うと胸が痛くなりました。

 「なにもできない」は、いつしか「なにもしたくない」に転化していきます。外出したくない。人と会いたくない。障がい者となった姿を人に見られたくない。だからデイサービスや通所リハビリにも行きたくない……。

 身体状況でいうと、要介護2。高齢ではあるけれど意欲と適切な支援があれば、まだまだ自力でいろんなことができるはずでした。しかし琴江さん自身が、自分の身体状況を受容できず、その結果としていくつもの「イヤ」があり、生活全般に対する意欲が低下するという構図でした。

 そこでケアプランでは、歩行時の安全を確保するためにリハビリを実施し、ADL(日常生活動作)を維持すること。さらに日中1人のことが多いので外出機会をつくり、他者との交流ができ楽しみが持てるように支援することなどを目標としました。

 最初に問題になったのが自宅内での移動です。まず車いすに抵抗感がありました。「いかにも障がい者みたいだ」と。では居室から、トイレまでの移動の安全をどのように確保するのか。琴江さんは、おむつはもちろんポータブルトイレの使用も「イヤ」だと拒否しました。琴江さんの自尊心が許さなかったのです。はじめて「自分の足で歩きたい」という前向きな意思表示がありました。

 それを受けて最初に交互式歩行器を使って「歩く」という方法をとりました。その使用に慣れてくると、もっとスムーズに「歩き」たいという意欲が出てきました。「なにもできない」「なにもしたくない」と後ろ向きだった琴江さんでしたが、歩行器を使って「歩く」ことができ、「できない」が「できる」という自信に変わったのでした。

 スムーズに「歩く」ために交互式歩行器から、ホイールを装着した歩行器に替え、さらに自分で立ち上がるための用具として昇降座いすを使うことに。琴江さんは、福祉用具の利用で、自力で立ち上がり、自力で移動できるようになったのです。

 できないと思い込んでいたことができるようになる。それは大きな可能性を琴江さんの中に呼び起こしました。外に出てみよう、デイケアにも行ってみよう……。「歩く」ことは、コミュニケーションにもつながっていったのです。最近ではデイケアに通って言語聴覚士の指導のもと発語のリハビリを受けられているということです。

 あれほど人に会うのを「イヤ」がっていた琴江さんですが、近所の人たちが遊びにきてくれるようになったことをとても楽しみにしているそうです。ご家族の話では、友だちとおしゃべりがしたいと意欲的になられているそうです。
 琴江さんの自宅玄関にはすでに段差解消器が設置されています。

 「次は車いす。ちょっと遠出もしてみたい」

 琴江さんは笑顔でそう話してくれました。
琴江さんを見ていて思いました。いくつもの「イヤ」は後遺症によって傷つけられた自尊心の叫びだったのです。そして自尊心とは、人が人として生きてゆくという意味そのものだったのです。

 私たちが提供する福祉用具は、介護を受ける人々の喪失した自信、傷つけられた自尊心を恢復するために大きな支えとなっています。そして、そのことで私たち提供する者は喜びと誇りを得るのだと確信しています。
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プライバシー保護のため、登場人物・地名・弊社に関する所属・担当者名は仮名で表示しております。

掲載されている物語は、事実に基づいて再構成したものです。

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