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    「傷も勲章」~車いすのつぶやき~(10/13)

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【福祉用具別】
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  • 利用者様の実情と法制度の「絆」としての専門性を

    人の役に立つということ

  • 車いす (20)
  • ラストダンスは私に

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    そうだ、京都へ行こう!後編

    そうだ、京都へ行こう!前編

    “What I can(私たちにできること)”

    ぼくは絶対にお医者さんになる

    この「不便」は「強み」でもある

    「桜の時期」に揺らぐ心

    ありがとう、千本イチョウ。

    若い日の妻に会うために

    ゆっくり歩くスピードで(番外編)

    自分に何ができるか

    「だれのために?」~車いすのつぶやき~(番外編)

    「傷も勲章」~車いすのつぶやき~

    「わがまま」が生み出す豊かさ(下)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(上)

    安全・快適は危険と隣り合わせ

    希望と勇気を支える福祉用具

    父の日課

    「自立」はもちろん「役立つ」こと

    ADL とQOL のはざまで

  • 歩行器 (5)
  • 〈パルちゃん〉の使命

    歩行器だってうれしそう

    加治屋町日記(2)福祉道具は優しさの結晶

    「手厚い介護は手でするもの」

    いくつもの「イヤ」を乗り越えて

  • 手すり・スロープ (6)
  • おじいちゃんセンセの「トオセンボウ」

    1本の手すりから生まれる希望

    逆転の夫婦~支え合うことで元気に暮らす~

    福祉用具の力はどこに現れるのか

    見守り、支える存在に

    無理のない人間らしい生活を支える

  • リフト関連 (5)
  • 思い出の風景を損ねずに

    取り戻した笑顔

    「吊り下げるよりほかあるまい」

    いつまでも、2人で暮らしたい

    リフト導入による生活範囲拡大

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  • そうだ!〈転ばぬ先の知恵〉だ!

    若い人には負けないわ

    希望の輪

    あきらめない、あきらめさせない

    尿もれパッドで知った ありのままの自分

    みんなありがとう

    臭いのモトは

    当たり前と勘違い おむつから見えてくること②

    好きな時間に1人で入りたい。風呂ってそういうものでしょ

    福祉用具は暮らしの雰囲気まで明るくしてくれる

    自立しながらみんなで生きるということや 後編

    自立しながらみんなで生きるということや 前編

    食べたいという意欲がわく大切さ

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    ~白杖のつぶやき~(番外編)

    ぼくの社会貢献

    何がいちばん大切か……

    あらためて「福祉用具の力」を考える

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    キャッチボールの大切さ~屋久島オフィスを取材して~

    より高い専門性のために

    「今」を困っているご利用者のために

    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか

    無理なく末永く、適切な支援は残された時間への投資

    「ありがとう」の力

    普通のことをあたりまえに

    「ありがとう」を夫婦で共有する

    加治屋町日記(1)

    「苦労」と「喜び」と「達成感」

    ずっと自分の足で歩きたい

    母の介護人生から学ぶ

【テーマ別】
  • 適切な支援 (13)
  • おじいちゃんセンセの「トオセンボウ」

    「桜の時期」に揺らぐ心

    当たり前と勘違い おむつから見えてくること②

    「桜の時期」に揺らぐ心

    見守り、支える存在に

    無理なく末永く、適切な支援は残された時間への投資

    自分に何ができるか

    「わがまま」が生み出す豊かさ(下)

    「わがまま」が生み出す豊かさ(上)

    安全・快適は危険と隣り合わせ

    希望と勇気を支える福祉用具

    ADL とQOL のはざまで

    リフト導入による生活範囲拡大

  • 自尊心 (6)
  • 若い人には負けないわ

    臭いのモトは

    「吊り下げるよりほかあるまい」

    母の介護人生から学ぶ

    いくつもの「イヤ」を乗り越えて

    無理のない人間らしい生活を支える

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    あきらめない、あきらめさせない

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    みんなありがとう

    思い出の風景を損ねずに

    歩行器だってうれしそう

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    福祉用具の力はどこに現れるのか

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    食べたいという意欲がわく大切さ

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    寄り添うことの大切さと難しさ

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    人の役に立つということ

    「ありがとう」を夫婦で共有する

    「手厚い介護は手でするもの」

    「苦労」と「喜び」と「達成感」

  • 意欲/貢献(1)
  • 「自立」はもちろん「役立つ」こと

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    あらためて「福祉用具の力」を考える

    受け入れる力と介護する力

    父の日課

  • 店頭にて(2)
  • 加治屋町日記(2)福祉道具は優しさの結晶

    加治屋町日記(1)

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  • キャッチボールの大切さ~屋久島オフィスを取材して~

    より高い専門性のために

    「今」を困っているご利用者のために

    奄美豪雨災害 その時私たちはどう動いたか

    人の役に立つということ

    「ありがとう」を夫婦で共有する

  • 福祉用具(6)
  • 何がいちばん大切か……

    加治屋町日記(2)福祉道具は優しさの結晶

    ありがとう、千本イチョウ。

    ゆっくり歩くスピードで(番外編)

    「だれのために?」~車いすのつぶやき~(番外編)

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尿もれパッドで知った ありのままの自分#64

2020年4月30日更新 [ その他 ][意欲/意志]

 

印刷会社経営 東洋一(鹿児島市在住・64歳)

還暦を過ぎても身体だけには自信がありました。健康だけが取り柄と言ってもいいくらいでした。まわりからは健康オタクなどと揶揄されていましたが、そんなことは一向に気にせず「健康道」(笑)に邁進していたのです。

そんな私が大腸ガンと診断されたのは、2017年の冬でした。ステージ4の入り口。もう少し発見が遅ければ、危なかったと医師は言いました。手術で大腸を40センチほど取りました。その結果郭清したリンパ節の1つに転移が見つかり、半年間の抗ガン剤治療を受けました。その後の経過もよく、このまま何事もなく時間が経ってくれればと思っていましたが、術後2年も経たないのに2つ目のガンが見つかりました。

前立腺ガンでした。大腸ガンの経過観察で見つかり、幸いにしてステージ2の初期。「早期発見ですよ。よかったですね」と医師は微笑みました。治療方法の選択肢としては手術、放射線治療、抗ガン剤治療の3つ。もちろん手っ取り早く確実なのは手術だということでした。しかも「ダビンチ」という手術支援ロボットを使うことで、安全に確実に身体への負担も少ない。私の気持ちも手術に傾いていました。


ところが問題が明らかになりました。大腸ガン手術の縫合部が前立腺に癒着していて、手術をすると前立腺と一緒に縫合部から直腸まで取らなければならない。つまり人工肛門になるということでした。人工肛門もかなり進歩したということですが、まだまだ第一線で仕事をしたい私にとっては、動きを鈍らせるという懸念もあり、その選択肢は消えました。抗ガン剤治療も心身ともストレスが大きく、仕事どころではなくなるというのは経験済みでした。となると残されたのは放射線治療のみでした。

これもまったく問題、リスクがなかったわけではありません。前立腺に放射線を照射すると癒着している縫合部になんらかの影響があるかもしれないと。極端に言えば縫合部が破裂する可能性もゼロではないと医師は言いました。いずれにしてもリスクはゼロではない……。前に進むしかないということです。私は放射線治療を選択しました。

月曜日から金曜日まで週5日、毎日通院してそれを7週間と2日。37回の放射線治療を受けました。治療自体は何の痛みも苦痛もなく、ただ治療台に乗って機器が動くのを見ているだけ。回を重ねても身体に変化はなく、効果があるのかないのかすら自分ではわかりませんでした。しかし医師からは治療の途上、あるいは終了後に現れるであろう副作用、後遺症をいくつか聞かされてはいました。にもかかわらず、なんだ楽なものだなと、私はたかをくくっていたのです。

その後遺症は37回の治療終了直後から現れました。頻尿~排尿困難~残尿~尿もれという、まさに負の連鎖でした。突然尿意を感じてトイレに駆け込むのですが、間に合わない。なのにスッキリ出ないし出切らない。ところがトイレから出ると尿もれしてしまう。そんなことの繰り返しでした。不安で外出もできないし、仕事もままならない。ほとほと困り果ててしまいました。こんなはずじゃなかった……。

ある会議の席で会議が始まる前に出席者にことわりました。治療の後遺症で何回か退出するかもしれないのであらかじめご容赦をと。結局2時間の会議で3回トイレに駆け込みました。終了後出席者の1人に呼び止められました。
「ずいぶんお困りのようですね。実は私も経験者でしてね」
数年前に彼も前立腺ガンの放射線治療を受け、同じような後遺症に悩んだ経験があるということでした。彼は私よりも明らかに若く、おそらく50歳代前半のように思われました。彼はこう言いました。
「妻がね、尿もれパッドをすすめてくれたんです。女性には必需品だし、恥ずかしくもなんともないよって。外からはわからないし、とっても安心、便利だと思うよと」
彼は40代半ばで前立腺ガンを患ったそうです。

私も尿もれパッドのことは考えてみました。でも、65歳を目前にしているとはいえ、なんだか老け込むようで気が進まなかったのです。
「使うこと自体ちょっとカッコ悪いなって感じですけど、使ってみれば絶対気が変わりますからだまされたと思って試してみてはいかがですか」
彼のその言葉で、ちょっと試してみようかなと思い、会議からの帰り道に福祉用品のお店をのぞいてみました。驚いたことに、すごく豊富な品揃えというか、多くの種類がありました。店員さんも丁寧に説明してくれました。

10cc 微量用
20cc 少量用
45cc やや中量用
60cc 中量用
80cc 多い目の中量用
120cc やや多い目用
200cc 多くても安心用
250cc ほぼ1回分安心用

とこんな具合でした。さらに、
「ご自宅や仕事場など、トイレが近くにある時は少量、ちょっと近所までの外出なら中量用、長時間の外出や車や交通機関の移動には多い目と、場所と時間を組み合わせてご利用いただくと快適に便利に過ごしていただけるかと思います」
と、いろいろアドバイスもしてくれたのです。着け方もちゃんと教えてもらいました。
結局私は10cc、60cc、120ccの3種類と、尿もれパッド付きの下着をあわせて購入しました。「長時間の高速道路移動の時、この下着と120ccをあわせて使うとより安心ですよ」とアドバイスがあったからです。実は高速道路移動の時はやっぱり履くタイプかなと相談したのです。でも紙オムツはやっぱりちょっと恥ずかしいし、自分が情けないなとこぼしながら。

家に帰って早速着けてみました。3種類全部試してみたのですが、ゴワゴワした感じもないし、ズボンを履くと外からは一切わからない。何の違和感もないのです。尿意を催しても慌てることもないし、漏らしたとしてもパッドが受け止めてくれる。そんなふうにも思えました。すぐに使い出したのは言うまでもありません。家や事務所にいる時は10cc、打ち合わせ、会議、そして外出の時は60cc、長い外出の時は120cc。使い始めて気づいたことは、安心で快適だけではありませんでした。仕事に集中できるようになったのです。もっと早く使っていればよかった。本当にそう思いました。

使い始めて数日後、熊本まで高速道路で移動する出張がありました。それまではパーキングエリア、サービスエリアがある度にトイレに行っていました。尿意があってもなくても安心のためにそうせざるを得なかったのです。その日は120ccをパッド付きの下着に着けて車に乗りました。どうなるかなと少々の不安を抱えていたのは事実です。でも念のためのトイレ停車は避けて、行きたくなったら車を止めようと思っていました。鹿児島市を出て栗野で1回トイレ停車をして、再び走り出しました。

ところが人吉を過ぎたあたりで突然強い尿意が。パーキングエリアまでかなりの距離があり、必死にこらえましたが何回かに分けて、かなりの量がもれてしまったのです。さすがにこれはダメだと思いました。外出する時は必ず着替えを持って出ます。この時のように車での移動であればトランクに一揃えの着替えを入れていました。
「ああ、着替えなきゃ」
そう思ってパーキングエリアに車を止め降りようとした時です。下半身に目をやりましたが、外見的には何の変化もありませんでした。お尻の方にもれたかなと手をやってみましたが、濡れても湿ってもいません。
念のため着替えを持ってトイレに行きましたが、下着にも漏れはなく、尿もれパッドがずっしり重くなっていただけでした。この時のホットした気分は今でも忘れられません。

大げさかもしれませんが、尿もれパッドは私にいろんなことを教えてくれました。ありのままの自分を素直に受け入れることが、いかに難しくて、大切かということでした。カッコウや体裁を気にしていては、しんどいだけだって。不安や心配が先に立って、やりたいこともできなくなるし、集中力も落ちる。使うことに前向きになった時、あらゆる状況に関して前向きになれたのじゃないかとも思います。

いま私は、いろんなところで同じような悩みを抱える人に出会った時、ためらうことなく自分の経験を話し、尿もれパッドをすすめることにしています。その人にも笑顔で過ごして欲しいから。


 
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